田舎から上京して1ヶ月 東京の真実は「生活しやすくて暮らしにくい街」
大学編入のため、愛知のど田舎から、東京の超都会に引っ越しました。早くも1ヶ月が経ちました。この1ヶ月は本当にあっという間でした。色々な出会いと体験がありました。間違いなく自分の人生の中で最も刺激的な1ヶ月だったと思います。今の気持ちを忘れないうちに、振り返ってみようと思います。
小さい頃から都会への憧れがありました。小学生のころはヨーロッパの方で4年半住み、中学生のころ「遊び場はラウンドワンもしくはイオンではないショッピングモール」みたいな微妙に小さい町に住み、高専2年次に車で15分走らないとコンビニすらない土地に引っ越しました。特に、目の前は田んぼと神社。最終バスは21時半という田舎での暮らしは私の価値観をガラリと変えました。言わずもがな、不便なので、東京では生活も便利になるし楽しいだろうなと思っていました。
その反面、面積は狭く、人とサービスが飽和しており本当の「幸せ」を見失っている人が多いのではないか。そして、今はインターネットが発展しているため、地域格差はそれほど感じないのではないか。そんな考えを持っていました。
間違っていました。
東京と愛知はもはや違う国です。地域格差は存在します。 実際に住んでみないと、 成ってみないと、分からない。この考えは正しかったようです。
実際に住んでみて、通ってみて、体験した、新鮮な意見を伝えたいと思います。
東京に来てよかったこと
『PM 11:40』
こんな時間になっても渋谷には人通りが絶えない。
夜は、東京に来て好きになった時間だ。
交通
夜、人が街に集まる理由として、まず交通網の発達が挙げられます。間髪挟まず次々にやって来るメトロ、0時を越しても周り続ける山手線、どこまで乗っても200円の市バス、町中を走るタクシー、UBER。
一点から一点に移動しようとした時に、いくらでも選択肢がありいちいち比較しなければならないのが東京人の悩みです。
都心の路線図は汚いとバカにされることが多いですが、でもやっぱり交通手段は多いに越したことはありません。めちゃくちゃ恩恵受けてます。
お店
なんでも買えます。買えないものはありません。
よく行くデパートに東京ドームシティラクーアがあります。ここは東京ドームの真横、ジェットコースターやウォータースライドがある隣に位置する複合施設です。ファミリー層をターゲットにしているため、有名どころのファストフード店はなんでも揃い、ババガンプシュリンプや叙々苑があるのがこの場所です。ショッピングに関しては無印良品とユニクロがあり、最寄駅構内にダイソーもあるので、ね、もうそれだけあれば十分じゃないですか?
でも、「レトロな街並みが好きだ」「アンテークやナチュラルな小物やカフェ巡りがしたい」という意見の人もいるでしょう。僕もそんな意見の持ち主の一人です。大丈夫。東京がそんな人のニーズを汲み取っていないわけがありません。
産直市場やマルシェだって各地域で開催されています。実際、都心で三箇所、めちゃめちゃエモい商店街を見つけました。また別の記事でご紹介したいと思います。
電子決済
中国でめちゃめちゃ進んでおり日本での普及が渇望される電子決済ですが、少なくとも僕の経済圏では、結構普及してきているんじゃないかなという印象を受けました。
基本的にクレジットカードと交通系ICカードを持っていれば、どちらかで決済が可能です。実際、こっちにきて現金支払をしたのはコピー機、イベント受付と飲み会の割り勘くらいです。便利じゃないですか。ポイントは貯まるし、店員さんも楽だし、何よりスマート。
未だにICカード乗車できない愛知環状鉄道ってなんでしょうね(平成31年春導入予定)。早くキャッシュレスな世界が実現してほしいです。
交通系ICをまだ持っていない人は自分の地域でもいいので、必ず作りましょう。こちらでも使えるし、地元の物を持っていると話のネタになります。
東京って、すごく生活しやすいです。今まで住んできた場所の中で間違いなくNO.1です。居心地が良すぎて、多少の不便があっても、もうここでいいじゃないかと許してしまいそうです。
東京に来て不満なこと
『AM 06:10』
朝日の差し込む窓を開け、 ムッとした空気を味わう。
「コツコツコツコツ」通りを歩く人の足音。
朝は、東京に来て嫌いになった時間だ。
とにかく、人が多いんですよ。学生じゃないのに便利だからって大学周りに住まないでほしいですね。3分の1にしたいですね。
人が多すぎることは悪影響ばかりもたらします。
満員電車
一つ目に、満員電車。通学に電車を利用しており、毎日通学しています。8時半がピークだと聞いていたので外して7時半に行ったら腕を潰され、9時半に行ったら背中を殴打し、6時半に行ったら肩が触れる程度でようやく落ち着きました。毎日これが続くと思うと耐えられません。
人間関係
二つ目に、信頼の薄さ。田舎に住んでいるとき散歩中にご近所さんに会ったら必ず「おはようございます〜」と言っていたのが、こちらでは全く挨拶しません。誰がご近所さんで、誰が観光客なのかわからないからです。満員電車で苦しくても、それを声に出すことはなくなりました。知らない奴には危険だから声をかけるな。今の自分の生活圏で満足しているから、これ以上"無駄な"交友を減らそう。そんなことを無意識に考えていそうで怖いのです。
そんな人間関係だからか、東京のパパママって子どもの扱い方が下手だなと感じることが多々あります。人混みの中走り回る我が子を注意せず、電車の中泣きじゃくる我が子をあやそうとせず、通りすがる人に抱きつく我が子を可愛いと言ってしまうその精神、僕にはわかりません。
いや、わからないですけど。微笑ましい家族も見たし、東京の全員がそうとは限りません。でも、こんな弱肉強食の競争社会に生きていると統計を取ってもそんな家族が多くなりそうな気がします。
自然環境
東京って意外と緑が多いんです。道路の脇に樹木が均等に植わっていたり、花屋が散見されたり、桜の名所もたくさんあって見ていて楽しいです。
でも、違いますよね。
私が求めている緑は、こんないかにも人工的に造られた自然ではなくて、もっと不恰好に、もっとワイルドに生きている自然。刈っても刈っても生えてくる草、その間からけたたましくなくコオロギ、私が一番美味しいんだからとビビッドに強調する野の花。そんな環境だから、良質な酸素が生み出される気がします。本当に、田舎にいた頃と比べて空気が不味い。大自然でリフレッシュしたいです。
コンクリートジャングルのため、花粉症の時期はとても辛かったです。こちらに来て確実に症状が悪化しました。風向きによって室内でもくしゃみをし続ける人もおり、相性が合わないときついなという印象でした。
東京の夜空は何色か知っていますか?
灰色です。
世界の終わりみたいな色しています。オリオン座を一度も見ていません。
まとめ
ここまで東京の利点と欠点を述べて来ましたが、どうでしょうか。私は東京で生活してみて楽だし、楽しいし、来て良かったと思っています。しかし、ずっとこの生活が続くと思うと、嫌になる瞬間もあります。愛知県にいながら、東京へ憧れを抱いてたまに遊びに来るくらいで良かったとも思います。
確かに、遊ぶ、働く、学校に行くといった生活のことを考えれば、東京に敵う都市は世界のどこの都市を探しても見つからないレベルだと思います。また、イベントや勉強会、大学は日本の場合は東京に集中しており、それらに気軽に参加できるというのはとてつもなく大きなアドバンテージだと思います。しかし、自分のライフスタイルのことを考えたときに、ここで一生幸福に暮らせるかといったら違うと思いました。
「生活」と「暮らす」の言葉の意味は異なるそうです。
「生活する」は、経済活動や衣食住などの習慣、手段など、日々の営みの具体的な側面に関して用いられます。一方、「暮らす」はこれに限らず、「生き方」などを含めたより広い意味を表します。
「暮らす」と「生活する」はどう違う?|日本語・日本語教師|アルク
自分の目指すライフスタイルは便利さだけで確立できないし、将来的に居心地の良いふるさと、田舎に戻ることになるんだろうと1ヶ月住んでみて、思いました。あと数年は東京で暮らしますが、花粉に耐えられなくなった頃、きっと、戻ります。
大事なことは、学生のうちにこのことが知れたこと。東京に実際に住んでみて田舎の良さを再確認することができました。両方を体験したから言えることがあるし、自分の将来をおぼろげにも想像することができるようになりました。
こんな経験をさせてもらっている親に本当に感謝しています。
お父さん、お母さん、ありがとう。
東京で、頑張ります。