くろちゃん日記

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編入・院試体験談

高専の授業は、どんな感じ?楽しい?役に立つ?しんどい!

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【目次】

 

 

 

 

高専高等専門学校とは

 

高等専門学校は、5年制の学校で、卒業すると高校+短大の資格を得ることができる。

主に工学・技術・商船専門教育を施すことによって、「深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成する」ことを目的にした教育機関である。

 

実践的技術者育成のための、国立の学校って感じ。

 

 

 

豊田高専にはMEICA5つの学科がある。

豊田高専ホームページの学科紹介はこちら→豊田高専 学科紹介

 

 

 

その中でも、私は電気・電子システム工学科に所属している。

 

電気の授業というと、低学年のうちは数えられるくらいしかない。1年の頃には、週5コマくらい。

 

なお、高専では大学と同じで、1コマ90分授業だ。1年生のうちには間に5分休憩が挟まれたりする。

 

最初のうちはきついけど、慣れれば1日最大4コマしないので、持っていく教科書が少なくて嬉しい。

 

その中でも特に印象的であった3科目について、簡単に説明したいと思う。

 

 

 

豊田高専(1年電気)3つの授業

 

電気基礎数学 

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名前の電気・基礎は嘘。抜かして読んでみよう。数学。

 

中学の頃とは比べ物にならないくらい難しい。最初言われることは、「解の公式は18禁」。公式を丸暗記して使用することは禁止で、公式を使用するならその導出過程を示さないといけない。厳しいよ。

 

答えさえあっていれば満点ではない、途中式が間違っていて、答えを推理して出したような答えはかなり原点をくらう。中学時代の常識とはここでおさらばだ。

 

 

 

毎回小テストがあり、授業後の補修(課外演習)にはほぼ全員が出席する。場合によっては夏休みやクリスマスに登校することも…でもこの科目のおかげで計算力がつくし、普通にやっていれば大丈夫。

 

 

 

 

 

電気英語基礎

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Oxford Reading Treeシリーズは、多読初心者の定番。最初はこんな簡単な本をとにかくたくさん読むところから始める。海外では小学生が読むようなレベルのものからハリー・ポッターまで、様々なレベルの多読本が図書館には存在する。

 

電気なのに、英語を勉強する。これも専門科目。高専の図書館には英語の本がたくさんあって、それを毎週読み英語力を高め、期末テストを受ける。

 

英語のテクニックのような勉強は一切なく、ただ本を読むだけ。累計語数を記録していき、100万語が最初の目標かな。この英語教育のことを、多読という。

 

 

【豊田高専の英文多読について、具体的な取り組みはこちら】 

豊田高専 英語多読

 

 

 

うちの教授によると、この英語教育「多読」をすれば必然的に英語力は上がるらしい。実際にそういうデータがあり、説明されると不思議とできる気がしてしまう。これを、洗脳という。この勉強法が自分に合っていて点数が伸びる人はいいけど、伸びない人はつらい。F率は半分とも言う。

 

 

Fとは

高専では成績が4段階評価で表される。期末テスト、中間テスト、課題の割合が80%以上であるとA、70%以上だとB、60%以上だとC、ここまでがセーフ。

 

それ以下だとF

 

Fが一定のかず貯まると・・・留年する。

 

電気科の1年生で留年する人は激レアだが、5年間でクラスの5人に1人は留年すると言われている。

 

 

 

 

 

創造電気実験

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→こういう波形を見て、「うお〜楽しい!!」となる感性をきみはもっているか?もっているならここは天国かもしれない。

 

毎週、半日使った実験の時間がある。ここで、私たちはレポートの苦しさを知る。

 

はんだごてを使って基盤を作ったり、レゴのマインドストームを使ったプログラミングをしたり、回路中の抵抗値・電圧値などの測定をしたり、オシロスコープの波形を読み取ったりいろいろなことをする。

 

しかし、なんのためにやっているか、なんお役に立つのか理解しながらやっている人は少なく、楽しんでやっている人はいないだろう。

 

レポートは毎週必死にやらないとついていけない。かといって必修のため(レポートを出さないと進級できない)やらざるを得ず、心身ともに負担がかかるだろう。提出日の前日は、モンスターやレッドブルが相棒だ。

 

 

 

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→きっと君の単位を救ってくれる相棒になるだろう・・・今のうちから味に慣れておくのもあり。

 

 

他にも紹介したい授業はたくさんあるが、書ききれないので、聞きたい授業があればコメントしてほしい。

ちなみに、入学前に想像していたよりもエネルギー系は掘り下げず、電子回路系は想像よりもハードだった。

 

 

 

 

 

 

電気の授業が嫌い

 

正直言うと、僕は電気の授業が嫌いだ。他にも、嫌いな人は何十人もいる。

勉強しながら、「なぜこんなことを勉強しているのだろう。将来役に立つのだろうか?」そんなことを自問自答している。そう、4年も経ったのにまだ答えが見つかっていない!

 

しかし、文句を言いながらも、なんだかんだ毎週レポートをこなして、小テスト前に勉強詰め込んで乗り越えてきている。なぜだろうか。

 

 

 

それは、将来技術屋になるのだからこれくらいは基礎であり、ここまで現場に近いことを教えてくれる学校は他にないと思うから。それが豊田高専の強みであると考えるから。

 

また、同じようにしんどいながらも頑張っているクラスメイトがいて、ここでの努力は必ずのちに生かされると信じているから。授業はしんどいし難しいが、頑張ればできないことはなく、将来の夢が電気・電子系の仕事であれば続けられる。

 

ここでの勉強がそのまま社会で通用するかといえば、それはない。

 

 

 

 

 

 

高専で5年間学んでも、即、実践的技術者にはなれない

 

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よく、「技術を身につけるために高専に行きたい!」という子がいるが、技術力とはなんだろうか。(私も志望理由がこれだった)

 

定義が曖昧ではないか。

 

私がここに入学して、電気的なことで実践できるようになったことなどない。レポートを自動で書いてくれるロボットも作れないし、課題を代わりに解いてくれるプログラムも書けない。

 

 

 

確かに、高専在学中に技術を会得して話題に上がる子もいる。でも、そういう生徒は、元から電気のことが好きで入ってきていることが多い。入学時に国家資格持っていたり、数検2級を持っていたりする。

 

趣味として独学で学んでいけるから、そういう子は伸びる。

 

エンジニアになりたい、研究職に付きたいなら大学院に行こう。院まで行かないと最先端のエンジニアリングは学べない。教授のもとについて、研究を何年も繰り返さないと、高専の座学を何時間聞いたところでエンジニアにはなれない。高専は、所詮大学学部レベルなのだから。

 

どんなルートを辿っても大学院まで行けさえすれば、エンジニアにはなれるのではないだろうか。

 

高専を選択するということは、その大学院にたどり着くまでのルートの一部を決定したことにしかならない。「エンジニア、安定」では決してないのだ

 

 

 

 

次の記事は、そのルートの違いについて。

大学院にたどり着くまでに選択する高専or工業高校?高専or普通高校?その選び方について、デメリットとメリットを比較する。

kurochan00.hatenablog.com

 

高専受験についてのまとめはこちら】

kurochan00.hatenablog.com